2025年夏のニュースまとめ
- 종관 박
- 4 時間前
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6月の大統領選挙以降、LGBTQ+界隈では多くの出来事が相次いでいます。学術界では活発な議論の場が設けられ、政治の世界でもさまざまな動きが見られました。さらに、街頭の声や映画館からのニュースも注目を集めています。
翻訳:가리
翻訳の検討と修正:-
原文:Miguel
原文の検討と修正:희중
投稿管理: 에스텔
ニュースのポスター: 가리
*本記事は2025年9月23日に執筆されたものです。公開時点の事実と異なる可能性があります。
韓国セクシュアルマイノリティ研究学会、学術大会を開催
7月11日、過去6年間活動を続けてきたLGBTQ+大学院生・若手研究者ネットワークが正式学会へと発展し、「韓国セクシュアルマイノリティ研究学会」の第1回学術大会が開催されました。同学会は、韓国におけるセクシュアルマイノリティやクィア研究の現状を検討し、法制度・政治・文化・心理・健康など幅広い分野の研究成果を共有することを目的としています。開催に先立ち、一部の反対勢力から会場予約キャンセルを求める声も上げられましたが、当日は無事に開催されました。
さらに、「韓国セクシュアルマイノリティ研究アーカイブ」も完成され、申請を通じて資料にアクセスできるようになりました(アーカイブのWebページ)。韓国におけるLGBTQ+運動が学術的取り組みと密接に結びついていることが再確認できます。

● 韓国におけるセクシュアルマイノリティ研究の動向を知る手がかりとして、「セクシュアルマイノリティ人権フォーラム」を取り上げた LGBT News Korea の記事も参考になれます。研究からアクティビズムまで~性的マイノリティー人権フォーラム
性平等家族部長官人事の行方
政治分野で注目すべきニュースは大きく三つあります。まずは女性家族部(現性平等家族部)に関する動きです。6月に就任した李在明(イ・ジェミョン)大統領は内閣人事を進める中で、女性家族部長官候補にカン・ソヌ国会議員を指名しました。女性・青少年・家族政策を担当する同省は、尹(ユン)前大統領が「女性家族部の廃止」を掲げて当選した経緯から、その機能が大きく後退していました。こうした状況を踏まえ、市民社会からは差別禁止法の制定推進など、人権と平等にビジョンを持つ人材登用への期待が高まっていました。
しかし康候補は、差別禁止法や不同意性交罪の導入に否定的な立場を示しました。差別禁止法については「現在、賛否が分かれる争点が多く、十分な議論と国民的合意が先行されるべきだ」と述べ、中立的な姿勢を装いましたが、結局法制定を先送りしてきた過去を繰り返すにとどまりました。そのほか、女性団体などが求める不同意性交罪の導入、包括的な性教育、生活同伴者法(事実婚や同性パートナーを含む韓国のパートナーシップ制度)の制定にも否定的な態度を示しました。さらに「パワハラ疑惑」などの問題も重なり、最終的に辞退に追い込まれました。
その後に指名された元(ウォン)・ミンギョン候補は、これらの課題に対して、これまでとは対照的に前向きな姿勢を示しました。包括的差別禁止法の制定、不同意性交罪の導入、売買春に関わる女性の非犯罪化、中絶薬の導入など、核心的課題への推進意志を明確に表明しました。とりわけ、2019年に憲法裁判所が堕胎罪を違憲と判断してから6年が経過したにもかかわらず、政府や国会が対応を先送りにしてきた現状において、中絶薬の導入は極めて意義深い事です。「差別の被害者をジェンダー平等に導く架け橋になりたい」と抱負を語った元候補は、9月10日に正式に長官に任命され、任期を開始しました。
● 反省少数者、反人権政策を展開した尹前大統領と少数者連帯に関するLGBT News Koreaの記事を読む: 農民とセクマイ―弾劾が生んだ奇妙な連帯

差別禁止法と生活同伴者法
国会では、セクシュアルマイノリティ共同体が長年求めてきた法案制定を再び推進する動きが見られました。6月に比例代表として議席を継承した進歩党のソン・ソル議員は「差別禁止法が誤解や歪曲によって損なわれるのを、これ以上は座視できない」と述べ、国会内に差別禁止法に関する公論委員会の設置を提案しました。現職国会議員の中で最年少のソン議員は、賛成世論の高まりを認めつつも、強力な反対勢力が組織的に活動している現状を踏まえ、公論の場を通じて差別禁止法の必要性と世論を制度的に確認することが重要だと強調しました。


● 差別禁止法とは?韓国社会における差別禁止法制定の試みと挫折については、 LGBT News Korea の記事もご覧ください:李在明政府も差別禁止法は「後に」
一方、基本所得党のヨン・ヘイン議員は「生活同伴者法」を発議しました。この法案は、血縁や婚姻によらない関係にも、婚姻に準じる権利と義務を付与する内容になっています。ヨン議員は『女性新聞』のインタビューで「法的家族ではない友人、恋人、同僚などの同伴者と暮らす市民は120万人を超えた。伝統的な家族概念の拡張は、もはや家族政策において選択ではなく必須だ」と述べ、法案推進の意義を強調しました。

各地域でのプライドパレード
この夏、全国各地でプライドパレードが開催されました。6月7日の大田(デジョン)を皮切りに、14日ソウル、8月30日春川(チュンチョン)、9月6日仁川(インチョン)、20日大邱(テグ)と続きました。尹前大統領の弾劾後に開かれた大規模の市民行事として、多くの人々が街に繰り出し、抑え込まれてきた感情を解き放ちました。
大田では、「ピンドゥル教会」が建物外に掲げたレインボーフラッグとトランスジェンダーフラッグが話題となりました。同教会は初回からパレードルート沿いに旗を掲げ続けておりました。プロテスタントによるLGBTQ+への差別や嫌悪が根強い中での歓迎は、多くの参加者の強い印象を与えました。
一方、他地域では自治体の非協力が目立ちました。春川市は会場入口を封鎖して車両進入を阻み、仁川では正規の集会申告があったにもかかわらず市庁が広場使用を拒否し、舞台をフェンスで囲まれました。大邱でも警察が会場の使用を制限し、新たな会場探しを余儀なくされました。
画像:大田のピンドゥル教会が建物外に掲げたレインボーフラッグとトランスジェンダーフラッグ。
動画: 大邱のプライドパレードで、参加者たちが旗を振りながら行進する様子。https://x.com/queerfes/status/1969363774034333707
映画『3670』
9月3日に公開された映画『3670』は、脱北者であるゲイ青年チョルジュンが韓国のゲイコミュニティに足を踏み入れる姿を描いています。タイトルは「鐘路3街6番出口に7時に集合しよう」という意味で、パク・ジュノ監督は「コミュニティそのものを主人公とする映画を作りたかった」と語りました。ソウル・鐘路3街というゲイ共同体の中心地を舞台に、脱北者と性的少数者という二重のマイノリティ性を抱えた人々の物語を映し出し、ゲイコミュニティの率直な内面を描くことで観客の共感を呼んでいます。

翻訳:가리
翻訳の検討と修正:-
原文:Miguel
原文の検討と修正:희중
投稿管理: 에스텔
ニュースのポスター: 가리
参考資料 (韓国語)
1. https://www.news1.kr/society/education/5841993
2. https://www.mindlenews.com/news/articleView.html?idxno=14777
3. https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/1219111.html
4. https://n.news.naver.com/mnews/article/028/0002764327?sid=102
5. https://n.news.naver.com/article/028/0002765552?sid=102
6. https://www.doctorsnews.co.kr/news/articleView.html?idxno=160293
7. https://www.google.com/amp/s/www.womennews.co.kr/news/articleViewAmp.html%3fidxno=265295
8. https://www.google.com/amp/s/www.newsnjoy.or.kr/news/articleViewAmp.html%3fidxno=307634
9. https://www.khan.co.kr/article/202509212127015
10. https://www.khan.co.kr/article/202509021736001
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